こんにちは。今回は、北海道・洞爺湖有珠山ジオパーク周辺で出会える“火山と産業”の結びつきについてご紹介します。
「火山」と聞くと、どうしても“噴火のリスク”“災害”というイメージが強いかもしれません。でも実は、火山から得られる恵みをうまく活かして成り立っている産業がたくさんあるんです。雄大な自然と共存しながら発展を続ける、この地域ならではのストーリーをお届けします!
1. 火山パワーが育む観光産業
まず目を惹くのは何といっても 観光業。
• 温泉・宿泊業
有珠山の地熱を活かした豊富な温泉は、この地域最大の魅力のひとつ。洞爺湖を見渡せるリゾートホテルや旅館が多数あり、毎晩行われる花火大会とあいまって“長期滞在型”の観光スタイルを確立しています。
• 防災観光・ジオツーリズム
2000年の噴火で被災した道路や建物をあえて保存し、火山防災の大切さを伝えるツアーが人気。「せっかく火山国にいるのなら、火山について学ぼう!」という動機づけにもなり、地元のガイドさんたちが活躍しています。
2. 肥沃な火山灰土壌と農畜産業
有珠山周辺では、火山灰の堆積が生んだ 肥沃な土壌 を活かした農業が盛ん。
• ブランド野菜・果物
じゃがいもや玉ねぎ、トマト、かぼちゃなど、道内でも人気の農産物が多く作られています。ミネラル豊富な土は作物の味や甘みを引き出してくれるんですね。
• 酪農・畜産
外輪山やカルデラ周辺には、広大な牧草地が広がっています。新鮮な牛乳やチーズ、アイスクリームなど、牧場系スイーツに舌鼓を打つのも楽しみの一つ。
3. 火山+水の恵みがもたらす“食”の魅力
洞爺湖という大きなカルデラ湖があるだけでなく、太平洋側の海にも近いこの地域。
• 湖&海の幸
ワカサギやホタテなどを使ったメニューは地元の道の駅やレストランでよく見かけます。火山の恵みによる「おいしい水」で育った食材は、北海道ならではのダイナミックさが詰まっています。
• 地熱を活かした調理法?
一部の施設では、温泉の熱を活かした蒸し料理を楽しめるところも。火山大国・日本ならではのユニークな食体験ですよね。
4. 防災とビジネスの融合
有珠山は、過去100年の間に4回も噴火を起こしている活火山。その度に地域は被害を受けつつも、いち早く“噴火予知”や“避難”を成功させ、甚大な人的被害を回避してきました。
• 観測システム・防災技術
地震計や傾斜計など、噴火をいち早くキャッチするための観測機器の開発・実証が進んでおり、火山防災ビジネスの拠点としても注目されています。
• 災害の爪痕を観光資源に
「痛ましい痕跡を残して大丈夫なの?」と思われがちですが、災害の遺構を“負の遺産”にせず、教訓を伝える教育プログラムとして活用している点が、この地域の大きな特徴です。
5. 地熱利用の可能性
火山といえば 地熱資源。現在大規模な地熱発電所こそないものの、北海道内では地熱利用が注目され始めています。
• 温泉熱で地域暖房?
一部の施設ではすでに温泉熱を利用した暖房を導入し、冬の寒さをやわらげています。CO₂削減やクリーンエネルギーへの移行を見据え、将来の可能性はまだまだ大きい分野です。
6. まとめ:火山がくれる“リスクとチャンス”
洞爺湖有珠山ジオパークは、“火山災害”というリスクと表裏一体でありながら、その 地形の個性や地熱の恵みを最大限に活かしてきた地域 でもあります。
• 観光業 は防災学習やジオツーリズムを軸にしながら、洞爺湖の自然美や温泉などと組み合わせて経済を回している。
• 農畜産業 は火山灰土壌の肥沃さを活かして高品質な野菜や乳製品を生産し、ブランド化や観光客への訴求にも成功している。
• 防災産業や地熱利用 も今後の展開が期待され、地元企業や研究機関が活発に動いている。
火山と人間の“共生”と聞くと、少し身構えてしまいそうですが、この地域を訪れるとそのバランスの取り方やポジティブに向き合う姿勢に感動します。もし北海道を旅する機会があれば、洞爺湖の美しい景色を楽しむだけでなく、その背景にある 火山と産業のストーリー にも目を向けてみてください。きっと新たな発見や学びがあるはずですよ!
関連リンク
• 洞爺湖有珠山ジオパーク公式サイト
• 洞爺湖町観光情報
• 有珠山ロープウェイ
自然の力と人間の知恵が融合した、洞爺湖有珠山ジオパーク。次の旅先に、ぜひ候補として加えてみてはいかがでしょうか? それではまた、次回のブログでお会いしましょう!