こんにちは。今回は、日本各地に点在する「ユネスコ世界ジオパーク(UNESCO Global Geopark)」についてご紹介します。実は日本には、2023年現在で10か所の世界ジオパークがあるってご存じでしたか?
それぞれのジオパークは大地の成り立ちだけでなく、そこに息づく文化や歴史も含めて“丸ごと楽しめる”エリア。その魅力や特徴を一挙にまとめてみました。
1. 洞爺湖有珠山ジオパーク(北海道)
ポイント
• 噴火を繰り返す有珠山と、火山の周りに広がるカルデラ湖「洞爺湖」が一望できる。
• 火山防災の先進地として有名。噴火による被害を最小限に抑えつつ、観光としても魅力を発信している。
見どころ
• 有珠山のロープウェイで、噴火口や火山ガスの立ち上る姿を間近に体感。
• 遊覧船で巡る洞爺湖からのパノラマビューもおすすめ。
ポイント
• フォッサマグナ(日本列島を東西に分断する大地溝帯)と、日本最古の翡翠(ヒスイ)が採れることで知られるエリア。
• 糸魚川市は“日本の石のふるさと”とも称され、地質ファンにはたまらないスポット。
見どころ
• 海岸でヒスイ探しが楽しめる「ヒスイ海岸」。
• フォッサマグナミュージアムでは、地球の成り立ちをじっくり学べます。
ポイント
• 雲仙普賢岳の噴火や温泉資源など、火山とともに生きる島原半島。
• 1990〜1995年の噴火災害の歴史を伝える、防災学習のメッカでもあります。
見どころ
• 各地に湧き出る温泉や、雲仙岳の噴火を記録した「雲仙岳災害記念館(がまだすドーム)」。
• 豊富な湧水から作られる郷土料理や特産品も要チェック。
ポイント
• 日本海の雄大な海岸線が広がり、鳥取砂丘や浦富海岸などバリエーション豊かな海岸地形が見られる。
• 侵食や隆起の過程を学べるジオパークとして、自然観察やビーチ観光が人気。
見どころ
• 鳥取砂丘でのサンドボード体験、浦富海岸の透明度の高い海を巡る遊覧船。
• 兵庫県の玄武洞で見る神秘的な柱状節理など、地球の造形美に圧倒されます。
ポイント
• 島根半島からさらに北に位置する隠岐諸島。断崖絶壁や奇岩が点在し、大陸から切り離されて形成された独自の自然が残る。
• 流刑の歴史(後醍醐天皇・後鳥羽上皇など)にまつわる人文史も魅力。
見どころ
• 国賀海岸の「マリンヴィレッジ隠岐」から眺める絶景の断崖群。
• 独特の文化や祭事を体感できる離島体験ツアー。
ポイント
• 世界最大級のカルデラを擁する阿蘇山。ダイナミックな外輪山と中央火口丘が広がる景観はまさに圧巻。
• 牧歌的な草原「草千里ヶ浜」や活発に噴煙を上げる中岳火口が魅力。
見どころ
• 外輪山の展望スポットから眺める阿蘇谷のパノラマ。
• 阿蘇ミルク牧場での酪農体験や温泉もセットで楽しめます。
ポイント
• 四国・高知県の東端に位置し、海洋プレートの沈み込みがもたらす急な地形隆起が見どころ。
• 亜熱帯性の植物が育つ室戸岬周辺は、ジオウォークやトレッキングに最適。
見どころ
• 室戸ジオパークビジターセンターで地質構造をおさらいしてから、岬巡りを楽しむ。
• 黒潮の恵みを受けた新鮮な海の幸もお忘れなく。
ポイント
• もともと海底火山として生まれた伊豆半島が、本州に衝突・隆起してできあがった地形。
• 温泉や美しい海岸線など、首都圏からもアクセスしやすいリゾートエリア。
見どころ
• 地層大切断面「城ヶ崎海岸」の溶岩断崖、伊豆高原の大室山など個性豊かな火山地形。
• 伊豆ならではの温泉巡りや海鮮グルメでリフレッシュ!
ポイント
• 世界遺産「白神山地」のブナ林を抱えるエリアに、岩木山などの火山や海食崖が点在。
• 森と海の距離が近いため、多様な生態系や文化が混じり合っているのが特徴。
見どころ
• 白神山地のトレッキングで、原生的なブナ林を満喫。
• 弘前方面へ足を伸ばして、岩木山神社やりんご畑の風景を堪能するのもおすすめ。
ポイント
• 国内屈指の恐竜化石産出地として知られ、地質と古生物学の宝庫。
• 掘り起こされた恐竜全身骨格は多数展示され、体験学習も充実。
見どころ
• 福井県立恐竜博物館は日本有数の恐竜研究拠点。子どもから大人まで大興奮間違いなし。
• 周辺の「手取層群」は白亜紀の地層が露出し、地層ウォッチングにも最適。
まとめ
日本には火山や海岸、化石など多様な地形・地質が凝縮されており、それらを丸ごと体感できるジオパークがたくさんあります。ジオパークというと「地質学が難しそう…」と身構えがちですが、実際には温泉、グルメ、防災学習、トレッキングなど、“地球の魅力”を幅広い角度から楽しめるのが最大の魅力。
次のお休みには、ぜひ世界ジオパークを旅先に選んでみてはいかがでしょうか? 地元のガイドさんに案内してもらえば、地形や岩石だけでなく、そこに根付く文化や歴史も含めて奥深い体験ができるはずです。
参考リンク
• 日本ジオパーク委員会 公式サイト
• UNESCO Global Geoparks (英語)
この記事が、あなたの旅のヒントや学びのきっかけになれば嬉しいです!
それではまた。次回の旅先でお会いしましょう。